「SHERLOCK」S2E2、暖炉前での喧嘩もどきの会話。
初っ端からですが疑問と、それについてざっくりと調べた分の覚書です。
シリーズ2エピソード2、「バスカヴィルの犬」。正典からの置き換えが面白くてとても好きなエピソードなので、感想はまた語るとしまして。
物語の中盤、依頼人と一緒に問題の窪地へ行って帰って来たあとのシャーロックとジョンの遣り取りに、以下のようなものがあります。
John: Why would you listen to me? I’m just your friend.
Sherlock: I don’t have FRIENDS.
John: No. …..I wonder why.
一行目のジョンの台詞、吹き替えと字幕だとそれぞれ「友達の気遣いなんて要らないよな」、「友達の言うことは聞けないか」となっていて、なぜそうなるのか疑問に思ったので調べました。
Why would you~? は強い疑問、そこに至る経緯を問うニュアンスだとのことなので、直訳するなら「一体どうして君が僕の話を聞くのか?」になるんじゃないかと思うんですが、反語も含んで「聞くわけないよな」という感じなんですかね。
そのあとの“I’m just your friend.”も「友逹じゃないか(だから話を聞いてくれよ)」なのか、「ただの友達だもんな(だから聞くわけがなかった)」なのか判断しにくいんですが、ストレートに取るなら後者……なのかなァ。
吹き替えも字幕も文字数(台詞の長さ)の制限やら口との動きの制限やらがあるのでコンパクトにまとまってますが、冗長に補って訳していいなら「君が僕の話を聞くわけがないよな、単なる友達にすぎない(≒シャーロックと同等の頭脳を持っているわけではない)んだから」という意味合いでしょうか。
二つ目、ジョンの“I wonder why.”もちゃんと考えてみるとよく分からなくて、このwhyは“would you listen to me”に掛かっているのか、それとも“I don’t have friends”に掛かっているのか、どっちなんでしょう。……これちゃんと知識があれば悩まずに済むのかなーと思うんですが! 考えるのも楽しいので垂れ流しますね!
前者だとしたら、「なんで君が僕の話を聞いてくれると思ったんだろうな」っていう自嘲混じりの諦め、後者だとしたら「なんで君には友逹がいないんだろうな」と言いつつの「そういうところが原因だよ馬鹿野郎」と言いたい呆れ混じりの怒り、という感じかなァと思います。
このあとのシーンでジョンが割と怒ってないというか、メールが来て反発はしつつもお返事は返す程度の気持ちみたいなので、前者寄りだろうかとも思うんですが、どちらとも取れるという感じでも問題無いなという印象です。
……これだけ語っておいて結論は出さないというオチですが、こういうスタンスになりますこのブログ。
それよりもテキストメッセージを大文字で返すジョンが可愛くないですか。ちょっと苛立ってはいて、だけどお返事はしてくれるジョンが可愛くないですか!(力説)
以下余談。
ネットをうろうろしている内に「バスカヴィル顔」なる呼び方の存在を知ったんですが、あれは恐怖を語る辺りの表情豊かな部分を指しているんでしょうか……(笑)。
言われてみれば暖炉前のシーンのベネディクト・カンバーバッチ氏、百面相してますね。わたしは恐怖に少し潤んで赤みを帯びた目元が色っぽいなーという方に意識が行っていたので(笑)、あと”Argh!”な彼の表情がこの時点(S2E2に至るまで)で好きになっていたで、百面相っぷりには特に注目してなかったです。
「バスカ顔」と呼ぶほどにネタにされているのも意外だし、人によって注目するところが違うなァと面白く思います。