BBCラジオ版外伝”The Further Adventures”の元ネタ一覧。
2002~2010年放送にされた、Clive Merrison&Andrew Sach主演のラジオドラマ、”The Further Adventures of SHERLOCK HOLMES “。
正典の「語られざる事件」を元ネタにして、脚本担当のBert Coules氏が執筆したオリジナルストーリーのシリーズなんですが、その元ネタ部分を把握したいなァと思って作った一覧です。
各エピソードの出典引用箇所は脚本家さんによる番組紹介サイト(merrisonholmes.com)を参考に、日本語に合わせて適宜前後を追加しています。和訳部分は新潮文庫版(延原謙訳)からの引用。
第1期
The Madness of Colonel Warburton
2002年1月30日放送
出典:The Engineer’s Thumb
…彼が解決を任された事件のうちで、この私からの紹介によるものが二つだけある。ハザリー氏の親指事件とウォーバートン大佐の発狂事件である。
技師の親指
※”The MX Book of New Sherlock Holmes Stories Part XVII” に脚本収録
The Star of the Adelphi
2002年2月6日放送
出典:The Second Stain
「同じ理由から僕が疑惑を抱いた『マーゲートの女』の事件を覚えているだろう? 鼻の頭の白粉(おしろい)をひとはけもつけていない女――結局それが正解だとわかったが……何といっても流砂のうえに家は建てられないじゃないか」
第二の血痕
The Peculiar Persecution of Mr John Vincent Harden
2002年2月13日放送
出典:The Solitary Cyclist
…当時彼は、有名な煙草長者ジョン・ヴィンセント・ハードンを中心とする奇怪なる強迫事件のひどくむずかしい問題に没頭していたからである。
美しき自転車乗り
The Singular Inheritance of Miss Gloria Wilson
2002年2月20日放送
出典:Thor Bridge
これら未完成の事件の中には、自宅へ雨傘を取りにはいったきり、この世から姿を消してしまったジェームズ・フィリモア氏の話もある。
ソア橋
The Saviour of Cripplegate Square
2002年2月27日放送
出典:The Sign of the Four
ホームズはおだやかな微笑を浮かべて、「 […] 僕の見たうちで最も心をひかれた美人というのは、保険金ほしさに三人の子供を毒殺して、死刑になった女だった。」
四つの署名(第2章)
※”The MX Book of New Sherlock Holmes Stories Part II“に脚本収録
第2期
The Abergavenny Murder
2004年5月18日放送
出典:The Priory School(”The Ferrers Documents”と同じ箇所)
「…アバゲヴニの殺人事件の公判も近く始まります。…」
プライオリ学校
※”221 BBC“に脚本収録
The Shameful Betrayal of Miss Emily Smith
2004年5月25日放送
出典:The Norwood Builder
「バート・スティーヴンスという怖ろしい殺人鬼を覚えているだろう? 1887年に、無実を訴えてきた男だが、…」
ノーウッドの建築士
The Tragedy of Hanbury Street
2004年6月1日
出典:The Golden Pince-Nez(”The Determined Client”の出典の直前)
…ページをくるに従って、私はまずあの […] 銀行家クロスビーの惨死事件だのの記録を発見する。
金縁の鼻眼鏡
The Determined Client
2004年6月8日放送
出典:The Golden Pince-Nez(”The Tragedy of Hanbury Street”の出典の直後)
それからまたアドルトンの悲劇や、[…] などもこのなかに記載されているのである。
金縁の鼻眼鏡
The Striking Success of Miss Franny Blossom
2004年6月15日放送
出典:The Hound of the Baskervilles
その一つはノンパレル・クラブのカード不正事件に関連してアプウッド大佐の非行をあばいたことで、…
バスカヴィル家の犬(第15章)
第3期
The Remarkable Performance of Mr Frederick Merridew
2008年12月26日放送[1]……クリスマスの翌日にこのエピソードを……!?[2]と思っていたら”221 BBC”にてその旨言及がありました(笑)。
出典:The Empty House
「Mの部は秀逸ぞろいだな。モリアティは全巻を通じての大ものだが、[…] ここには思い出しても胸の悪くなるメリデューがあるし、…」
空家の冒険
The Eyes of Horus
2009年1月2日放送
出典:The Hound of the Baskervilles
「やあ、ウィルスンさん。いつぞやのちょっとした事件をまだ覚えていると見えますね。あれはまったく幸運のたまものだったんだけれど」
バスカヴィル家の犬(第4章)
「あれを忘れてなるものですか。すんでのことに名誉もなにもなくしてしまうところをお助けいただきましたんですから、命の恩人とも思っております」
The Thirteen Watches
2009年1月9日放送
出典:The Noble Bachelor
The Man With the Watches(コナン・ドイル著の短編)
バックウォーター卿より承れば、貴下の思慮判断には絶対の信頼をおくことができる由、…
花嫁失踪事件
The Ferrers Documents
2009年1月16日放送
出典:The Priory School(”The Abergavenny Murder”と同じ箇所)
「…いま非常に忙しいからだなのです。ファラースの証書事件も未解決だし、…」
プライオリ学校
第4期
The Marlbourne Point Mystery
2010年4月5日・6日放送
この暴挙の張本人はわかっているから、もし重ねてこのような非行が起こるにおいては、私はホームズの名のもとに、ある政治家、灯台および調教された鵜に関する件を世に公表してやるつもりである。こういえばわかる人が少なくとも一人はあるはずである。
覆面の下宿人
2023/05/13 レイアウト調整