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灰を灰に

Anthony Horowitz“The House of Silk”とその日訳版『絹の家』の比較やら気になったところやら。


 “The House of Silk”は2011年に出版された、コナン・ドイル財団公認のパスティーシュ……公認されたということは正典? です。日本では『絹の家』の題で2013年に出版され、2015年には文庫化されています。

 折角日英両方読んだので、英語で分かんなかったとことか気になったとことかメモしたいなー、と緩い気持ちで書き出した&考えたり調べたりしたことのまとめのつもりだったんですが、結果としてものすごい量になったので、半分ほど削りました。

 余談として、単行本版の「訳者付記」に記載のあった作品内の矛盾点についても触れています。

 以下の引用は、英語版は電子書籍のKindle版[1]“The House of Silk: A Sherlock Holmes Novel (English Edition)” Mulholland Books/第1版 Amazonの商品頁日訳は単行本版[2]『絹の家』(角川書店・駒月雅子訳/第1版) 版元ドットコムの書誌情報を参照しています。


第1章

my closest companion and friend,

 日訳だと“最高の同志であり親友である男”でした。同志!


第4章

and although I was glad to turn the last page and set it aside,

 章の冒頭、ワトスンさんがホームズさんに勧められた本を読んでいて、こういうことホームズも書きそうだな―と思っているシーン。

 上記の引用部分は“そう思うとページをめくるのが楽しくなり、”と訳されているんですが、わたしは‘最後のページを捲るのを嬉しく思った’、つまり読むのがずっと苦痛だったと受け取っていました。


一人だけ、いくぶんましな服装の少年がまざっていた。ほかの子よりも利発そうで、栄養状態もそれほど悪くないようだが、私はその少年からスリか泥棒の匂いを嗅ぎ取った。それも食いつなぐためだけではなく、成り上がる手段として盗みをはたらくよこしまな根性が感じられる。

『絹の家』p.68

 イレギュラーズがホームズさんの元を訪れたときのロスくんの描写なんですが、これ日本語版ワトスンさんの表現に悪意がありすぎない!? とびっくりしたので以下確認です。

 まず原文は以下の通り。

Only one, I noted, was a little smarter and better fed than the others, his clothes slightly less threadbare, and I wondered what wickedness – pickpocketing, perhaps, or burglary – had furnished him with the means not just to survive but, in his own way, to prosper.

 ここの部分、わたしの受け取り方は次のような感じでした。

  1. (ほとんどは裸足なイレギュラーズの少年たちの中で)一人だけ、他の子どもたちよりも少しばかり身なりがきちんとしていて[3]smartの意味(参考:英辞郎Coliins Dictinary)に迷うんですが、賢いかどうかは外見だけでは分からないと思うので、外見に関する方向で解釈しています。ご飯も食べていそうで、服の草臥れ方もわずかばかりマシな子が居た。
  2. 単に生き延びるだけでなく「(浮浪児なりに)成功」しているその少年は、それを手にするためにどんな悪事を働いたのだろう、スリとか、あるいは強盗にでも手を染めたのだろうか、とワトスンさんは思いを巡らせた。

 このあとに、この少年(ロスくん)も他の少年たちと同じく大人びている、貧困というものは子供たちから子供で居られる時間を奪うのだ、と続いているのもあって、ワトスンさんの視点は同情的であるように感じていました。「よこしまな根性」とか言いそうにないイメージ。

 しかし細部を確認していて気付いたんですが、わたしは”wickedness”という単語を「スリ、あるいは強盗」の言い換え=「悪どいこと、悪事」だと受け取っているんですね多分。翻訳版では「悪どい気質、邪悪な人間性」の意味で受け取って訳されているのではないかと思われる、且つ英英辞書を見る限りそっちの方が主要なイメージなのかなァとも思います。

wickedness

The quality of being evil or morally wrong.

wickedness – Lexico.com

  1. the quality or state of being wicked
  2. wicked conduct or practices
  3. a wicked act or thing

wickedness – Collins Dictionary


「きみは紙巻き煙草を栞代わりに使っていたね。[…]」

『絹の家』 p.70

 原文は‘You have been using a cigarette card as a bookmark.‘なので、これはシガレット・カード[4]参考:シガレット・カード – Wikipediaのことだろうと思われます。煙草そのものじゃなくて、もっと栞にしやすいカード状のもの。

 ちなみにこのあとの「いま、本はお役ご免となってテーブルで休んでいる」も‘and I see it is now lying on the table, finally released from its labours.‘で、お役ご免となっているのはシガレット・カードの方じゃないかなと思います。栞代わりに挟んであったカードがテーブルの上にあるので、つまりは本を読み終えたということだろう、というのがホームズさんの推察ではないかと。

 更に言えば、栞代わりのカードが全然動いてないな、なかなか読み進められていないんだな、というのを察していたにもかかわらず、そうか僕から薦めたけどあの本は彼の好みには合わなかったんだな、無理して読ませてしまって悪かったかな、という方向の考えには行かず、「読み終わったんだね、感想を聞かせてもらえるかい?」と躊躇いなく話題にしてしまえるホームズさん、すごいなあと思います(笑)。


‘My own memory is that much of the fauna depicted was of the poisonous variety, since you mention it.’

「僕の記憶を掘り起こすと、動物の絵をたくさん飾るのは悪意の多様性を表わしているんだよ」

『絹の家』p.72

 お昼ごはんを食べつつ絵画の話、その中で語られざる事件ネタであるアバネッティ家の事件の例を話しているシーン。

 この部分の英語がよく分かっていないので、未来のわたしさんに頑張ってもらうべく書き残しておきます。

 英語で読んでいるときは、絵に描かれていたのは多くが有毒な種類のものだった、みたいなことを言っているのかと思っていたんですが、日訳を見ると全然違う……? that以下がmy own memoryの内容を説明しているのか、that much of ~と取るべきなのかも分からないです!


第6章

It is true that Holmes’s clients came from all classes, but (and perhaps someone might one day have pause to consider the significance of this) the more interesting crimes, the ones I chose to relate, were nearly always committed by the well-to-do.

 章の冒頭、当時のロンドンの話をしている部分の一節です。

 この文、最初に読んだときは「ホームズの元にはあらゆる階級の依頼人が訪れたが、興味深い犯罪、わたしが記述することを選んだものは、ほとんど常に裕福層の手によるものだった(このことがどんな意味を持つのか、一度よく考えてみるのもいいだろう)」みたいな意味で受け取っていたんですが、うーん……[5]mightの扱いとpauseは動詞の扱いでいいのか、だとしたらなぜ現在形なのかが分からずにいる。 。”the significance of this”のthisはbut以下の内容を指しているんじゃないかと思っていたものの、翻訳版ではbutより前の節を指しているものとして扱われていたので、よく分からなくなりました。


[…] ‘Is the life of your compatriot worth as little as that?’ he demanded.

‘I don’t understand “compatriot.” ’e was nothing to me, Mr ’olmes. […]‘

 ロスくんの情報と引き換えにもう1ギニー欲しがったウィギンズくんに対してお叱りのホームズさんと、それに対するウィギンズくんのお答え。

 直訳すると「お前のcompatriotの命はそれっぽっちの価値しかないのか?」「compatriotなんて分かんないよ。あいつは俺にとって何でもないんだ、ホームズさん」くらいのやり取りでしょうか。

 むつかしい言葉分かんないウィギンズくんが可愛いんですが、こういう話は別の言語に置き換えるのが難しいよなァと……。日訳では「仲間って言われても困っちゃうよ」と緩やかに流してありました。

compatriot

  1. a person born, residing, or holding citizenship in the same country as another  
  2. companion, colleague

compatriot – Merriam-Webster


第7章

… 心の底では私を大事に思ってくれているのだとわかったからである。

『絹の家』p.115

 ワトスンさんが負傷後、「三人ガリデブ」での出来事も引き合いに出しつつホームズさんの動揺を喜んでいるシーン。

 上記に相当する原文は”demonstrated that my physical well-being did at least mean something to the great man”だと思うんですが、英語だと“大事に思ってくれている”とまでは言ってない気がして[6]直訳すると“かの偉大な人物にとって、私の身体的安全が少なくとも何からの意味を持つのだということを明白にした”くらい? 主語はmy attackers(ワトスンさんに傷を負わせた人間)です。、日本語版ワトスンさんの勢いに笑ってしまいます。


‘Inspector Lestrade sends his compliments, sir.‘

 巡査がレストレード警部からの伝言を伝えるときのこの切り出し方、「オーブリー&マチュリン」シリーズ(の海軍内でのやりとり)でよく見かけるやつだ! という興奮がありました。


[…] for, the doll and the knife aside, Sally had no possessions, nothing she could call her own beyond her name.

 サリーちゃんの部屋を捜索しているシーンの描写のひとつ。

 ここは“人形とナイフを除けば、サリーの持ち物は何もなく、名前のほかに彼女を表わすものはひとつも残っていなかったからである。”と訳されているんですが、英語の後半部分を直訳すると‘名前のほかには自分のものと言えるものを何も持っていなかった’だと思う&この表現が印象に残っていたので、なんかこう……! 残っていなかったというよりも彼女はそもそも持っていなかったんだというのが、こう!


第8章

「なくされたいきさつをぜひともうかがいたいのですが、レイヴンショー卿」

『絹の家』p.139

 ホームズさんが急に平仮名で喋り出したのでびっくりしました(笑)。なんかかわいいぞ!


第9章

‘I have already considered it.’

‘I rather feared as much.’

 マイクロフトさんが帰った直後の、ワトスン君はどう思う? というお二人の会話。

 英語版を読んだときにこういう解釈をしていたんですが、後者のワトスンさんの台詞は翻訳版では「ますます不安になった」と訳されていました。これは意訳されているのか、わたしの理解が間違っているのか[7]めちゃくちゃ言葉を補って訳せば「君が何も考えずに行動を起こそうとしているのではなく、むしろしっかりと熟考した上でそれでもマイクロフトの警告に背こうとしているのではないかと恐れていた、やっぱりそうなんだな」と言っているのだと思っているんですが……!、判じがたいところです。


‘Pshaw! I think I can look after myself.’

 ぷしょぉー[8]参考:https://www.lexico.com/en/definition/pshaw、って言うホームズさんが面白かったんですが、訳に反映されていなかったのでメモしときますね!


第11章

しかし、こうした苦難さえ、ブルーゲート・フィールズでのあの晩の悲劇の前ではかすんでしまうほどだ。やはりあれもホームズ自らが進んで陥った罠だった。その不幸な結果をこれから語るとしよう。

『絹の家』単行本版 p.172

 確かに「瀕死の探偵」も「悪魔の足」も「まだらの紐」もライヘンバッハの一件も、ホームズさん自ら突き進んで行っているな……と思うと同時に、英語版そんなこと言ってた? と思ったので確認しました(下線は引用者)。

And yet, all of these pale in comparison with that night in Bluegate Fields. Poor Holmes. I see him now, recovering consciousness to find himself surrounded, under arrest and quite unable to explain to himself or to anyone else what had just taken place. It was he who had chosen, willingly, to walk into a trap. This was the unhappy result.

 言ってなかったし、訳されていない部分(下線部分)があることに気付いてしまった。

 上記の日本語訳の“やはりあれも~”に相当するのは、”It was he who had chosen, willingly, to walk into a trap.”の部分かなと思うんですが、この一文は“罠に足を踏み入れた、それも自ら踏み入ることにしたのは、彼だった。”くらいの意味じゃないかなァと……何があったんでしょうこの部分。


ホームズがたまにふける悪習をレストレイドはどうやって知ったんだろう、と不思議に思った。

『絹の家』p.181

 あなたが小説に書いたからでは……? と思って『四つの署名』の発表年を確認したところ、1890年2月でした。物語の現在の時期は1890年12月、つまりあなたが書いたからでは!?


第12章

[…] 被疑者がさらされるさまざまな屈辱的苦痛をホームズもさんざん味わわされたにちがいないが、想像するとつらいので必死に頭から閉め出した。

『絹の家』p.188

 入廷したホームズさんを見たワトスンさんの感想に、そ、そっかあ……と思ってしまいました(笑)。「想像するとつらいので~」の部分、英語では”I tried not to imagine”という表現に留まっています。


第19章

[…] the bearded man we had never seen before, sitting, dressed only in a white shirt open at the collar, at the boy on the bed behind him.

 ホームズさんワトスンさんが「絹の家」で何が行われているか目にするシーンで、日訳としては“男性が(中略)後ろからのしかかっていた。”となっているんですが、のし……かかっている……? という疑問が解けずにいます。少年は男性の後ろのベッドに居ません……?

 ここの描写、もう少し前から引用すると以下のような流れです。

He chose the one closest to him and opened it. Together, we looked in. At the wooden floor, the rug, the candles, the mirror, the jug and the basin, the bearded man we had never seen before, sitting, dressed only in a white shirt open at the collar, at the boy on the bed behind him.

 これは”looked in at ”という形で文章が続いていると思っていいんでしょうか。目に入ってきたものの中に「木張りの床」とか「絨毯」とか、「初めて見る髭面の男性」とか「ベッドの上に居る少年」とかが含まれている……?

 と考えているのですが答えは出ていないです。


あんな虫けら野郎は射殺してしまいたかった。

『絹の家』p.307

 原文は”I would gladly have shot him.”なのでそこまでは言ってない。

 という、日本語ワトスンさんのカッ飛ばし方に対するツッコミとは別に、gladlyのニュアンスをそう入れて訳すんだなァ、という興味深さもあります。


’I did not imagine what Fitzsimmons and his cohorts might be involved in for the simple reason that I did not wish to.’

「[…] まさかフィッツシモンズや教師たちが悪事に関与していようとは想像もつかなかった。理由は単純、そうあってほしくなかったからだ。」

『絹の家』p.311

 馬車で来た道を戻る途中のホームズさんの発言、これは誤読していた箇所なので戒めとして書き残しておきます。

 cohortsの意味を調べる際、子供たちのことかな~と先入観を持ってしまっていたので、語義を調べたときもそれに当てはまる意味(同年代の人間の集団)に飛びついてしまいました。唐突に社会学の用語が出てきたと考えるよりも、「仲間、リーダーなど一人の人物を支持する集団」と受け取る方が自然ですね!

cohort

  1. A person’s cohorts are their friends, supporters, or associates.

cohort – Collins Dictionary

  • [SOCIAL SCIENCE] a group of people who share a characteristic, usually age:
  • [disapproving] a group of people who support a particular person, usually a leader:

cohort – Cambridge Dictionary


第20章

「この人でなしめ。あの少年にあなたが何をしたかは、考えるのもいとわしい。」

『絹の家』p.338

‘God knows what you had done to that child, and even now I refuse even to consider it.’

 犯人を非難する日本語ホームズさん、ちょいちょい英語よりも踏み込んだ言い方をしているところがあって、そこの違いが面白かったです。


余談 ‐ 物語内の矛盾点

 翻訳版の「訳者付記」にもあるように、作中には幾つか正典の記述との矛盾点があるようなので、以下その辺りに関しての確認です。

「ギリシャ語通訳」との整合性

 第9章、マイクロフトさんが221Bを訪ねてきたときの記述。

というのも、マイクロフトがベイカー街へ私たちを訪ねてきたことはそれまで一度もなかったからだ。

『絹の家』p.149

[…] for Mycroft had never visited us at Baker Street before and only ever came once again.

 「ギリシャ語通訳」の発生年がいつかという話[9]単行本版の「訳者付記」には「『ギリシャ語通訳』(時代設定は一八八八年)」と書いてあるんですが、正典に記述はないような気が。はともかく、『絹の家』第9章冒頭でワトスンさんは、マイクロフト・ホームズと会ったのは「ギリシャ語通訳」事件のときが初めてだったということ、その時までは同居人に兄がいることも知らなかったということを書いています。

 一方で、ここでの原文の記述は”マイクロフトは今までにベイカー街へ私たちを訪ねてきたことがなく、そのあとも一度しか訪ねてこなかった。”となっています。

 「ギリシャ語通訳」の物語の中でマイクロフトさんは221Bを訪れているので、『絹の家』の話がそれよりもあとなのだとしたら、“今まで訪ねてきたことがなかった”というのはおかしい。また、“今まで訪ねてきたことがなかった”というのが本当なのだとしたら、ワトスンさんがマイクロフトさんの存在を知っているのはおかしい。という矛盾点のようです。

コーンヒル誌/ストランド誌

 第14章、ワトスンさんを夕食に招待した人物が、御作は全て拝読してますよという話をするシーン。

持っていたストランド誌を開いてテーブルに置いた。

『絹の家』p.232

He had carried with him a copy of the Cornhill Magazine and he opened it on the table.

 原文にある”The Cornhill Magazine”というのはイギリスで出版されていた月刊誌で、コナン・ドイル先生が幾つか著作を寄稿していた雑誌のようなんですが、ホームズ物語の発表媒体になったことはないようです[10]参考:The Arthur Conan Doyle Encyclopedia

 それに加えて、「訳者付記」でも指摘されているように、この時話題にのぼっている「ぶな屋敷」はこの時点(1890年12月)では未発表のはず、という矛盾もあるようす。

こうした矛盾点について、それも正典オマージュなのでは? という見方もあるようです。

Horowitz even manages to ape Watson’s often-sloppy writing:

“The House of Silk1″レビュー記事(The Globe and Mail)

訳: ホロヴィッツは、ワトスンがよくやる記述のミスまでも真似てみせている。

 上記の記事だと、〈チョーリー・グレンジ男子学校〉の校長が「自分も生徒たちもホームズの冒険譚を楽しんでいる」と話しているが、1890年末の時点では『緋色の研究』と『四つの署名』の二作品しか発表されておらず、特に前者の知名度は低かったので、これは不自然ではないか、という指摘もされています。

 前述の”The Cornhill Magazine”をストランド・マガジンと取り違える可能性は低いだろうし、こうした矛盾点についてはわたしも「正典模倣の手法の一つ」という説を推したいです。

2022/04/12 一部言い回しを修正

2022/01/06 誤字脱字等修正

References

References
1 “The House of Silk: A Sherlock Holmes Novel (English Edition)” Mulholland Books/第1版 Amazonの商品頁
2 『絹の家』(角川書店・駒月雅子訳/第1版) 版元ドットコムの書誌情報
3 smartの意味(参考:英辞郎Coliins Dictinary)に迷うんですが、賢いかどうかは外見だけでは分からないと思うので、外見に関する方向で解釈しています。
4 参考:シガレット・カード – Wikipedia
5 mightの扱いとpauseは動詞の扱いでいいのか、だとしたらなぜ現在形なのかが分からずにいる。
6 直訳すると“かの偉大な人物にとって、私の身体的安全が少なくとも何からの意味を持つのだということを明白にした”くらい? 主語はmy attackers(ワトスンさんに傷を負わせた人間)です。
7 めちゃくちゃ言葉を補って訳せば「君が何も考えずに行動を起こそうとしているのではなく、むしろしっかりと熟考した上でそれでもマイクロフトの警告に背こうとしているのではないかと恐れていた、やっぱりそうなんだな」と言っているのだと思っているんですが……!
8 参考:https://www.lexico.com/en/definition/pshaw
9 単行本版の「訳者付記」には「『ギリシャ語通訳』(時代設定は一八八八年)」と書いてあるんですが、正典に記述はないような気が。
10 参考:The Arthur Conan Doyle Encyclopedia